中國社會科學院はこのほど、2004~2005年の社會情勢を分析?予想するレポートを発表した。
レポートによると、中國は2004年に人口1人當たりの國內(nèi)総生産(GDP)が1千-3千ドルという新たな段階に入っている。こうした転換期を迎え、中國には他の國?地域と異なる特殊な狀況が現(xiàn)れており、政策決定に當たってはこうした點を重視する必要が出ている。
レポートは中國特有の狀況として、次の7點を指摘している。
(1)中國の1人當たりGDPは1千ドルに達したが、農(nóng)村人口や農(nóng)業(yè)従事者の比率は依然として高く、中國の社會構(gòu)造の転換を困難にしている。このため、都市化や農(nóng)業(yè)従事者の比率引き下げを特に重視し、今後15年程度をめどに、農(nóng)業(yè)分野の余剰労働力1億人余りを別の分野に就職させる必要がある。
(2)1人當たりGDP1千ドル達成後も、所得格差は本來あるべき縮小の方向へは進まず、加速と拡大を続けている。このため政府は、資金投入?稅制措置?福祉によるてこ入れを図り、所得の再分配を合理的にコントロールする必要がある。
(3)1人當たりGDP1千ドル達成後も、労働力不足は見られず、労働力の供給過剰が長期間続いており、雇用問題を短期間で根本的に緩和するのは難しい。このため、雇用問題を解決し、教育に力を入れることで人口大國から人材資源大國への転換を図ることが、経済の急成長を維持する重要な原動力となる。
(4)他國では富?;吾幛烁啐h化が訪れるパターンが一般的だが、中國は平均壽命の上昇と厳重な人口抑制策の結(jié)果、富裕化を前に早すぎる高齢化を迎えている。このため、右肩上がりに増加する社會保障の負擔と、周期的に不景気が訪れる経済との矛盾に注目し、節(jié)約型で広範囲の社會保障體制を整備する必要がある。
(5)中國では、1人當たりのGDPが1千ドルに達する一方、國際的な貧困基準(1人1日當たりの所得または消費が1ドル以下)で見た貧困人口も1億人を超える。國家の現(xiàn)代性を最もよく反映する目印は、農(nóng)民の富?;?。このため、21世紀型の貧困縮小事業(yè)を?qū)g施し、「第11期五カ年計畫(2006-2010年)」の期間に農(nóng)村へ投入するリソースをまとめ、農(nóng)村部における社會保障の基礎的な枠組みを構(gòu)築していかなくてはならない。
(6)グローバル化という新たな情勢の中で、民主主義意識の成長に高く注目するとともに、社會主義民主制度の整備、腐敗現(xiàn)象の斷固とした抑制、社會におけるさまざまな管理レベルの向上を通して、政治の長期的な安定を確保する必要がある。
(7)中國は大きな國であり、大國と小國では臺頭による國際的な影響がまったく異なる。これまでの経緯が示すとおり、大國の臺頭や交替は、國際経済や國際政治の構(gòu)造を変え、國際的な勢力爭いに発展する恐れがある。中國は現(xiàn)在、世界の経済?社會での地位が急速に向上しつつあるため、明確な政治的思考を保ち、國際関係、特に大國間の関係にしっかりと対処し、中國の長期的かつ安定的な発展のために、良好な國際環(huán)境を整えなくてはならない。
「人民網(wǎng)日本語版」2004年12月7日