中國では、子どもの姓は父方の姓を継ぐというのがある程度、伝統(tǒng)的な習慣として定著している。だが、これは法律で規(guī)定されているわけではない。1950年公布された初の『婚姻法』と1980年施行の現(xiàn)行『婚姻法』はいずれも、子女の姓は父方または母方の姓でもいいと規(guī)定している。
事例１：「李」の継承で結(jié)婚問題は一件落著
張さん（女性）が李さんと知り合って２年、二人の仲は結(jié)婚まで進んだ。本來なら喜ぶべきこと。だが將來生まれる子どもの姓の問題が原因で、結(jié)婚話は行き詰まってしまった。
二人とも1人っ子。そのため、雙方の両親が孫の姓について話し合った。張さんの祖父は高齢で、「孫は一人しかできない。李の姓を継ぐことにでもなれば、張家に線香を上げる者はいなくなってしまう。家が途絶えるのは受け入れられない」と、姓の継承にこだわった。
張さんは祖父の気持ち考え、子どもには張の姓を継がせたい、と李さんの両親ともう一度話し合ったが、きっぱりと拒絶されてしまった。
李さんは「二人が心から愛し合っていれば、子どもの姓なんて問題ではないが、年配者は古い考えから抜けきれない。でも僕も男のメンツからか、心にわだかまりがあるのは確かです」と心境をさらす。結(jié)局、いろいろ手を盡くしたものの、張さん側(cè)が折れた。張さんの祖父にとっては大きな心痛だったに違いない。
事例２：希少な姓であればこそ貴重
張さん（男性）は子どもが生まれると、自分の姓ではなく、妻の姓を継がせることにした。「張」という姓は最も多くて一般的。だが妻の姓は非常に少なく、フレッシュな感じがする、というのがその理由だ。
「姓は単なる符號にすぎず、耳に心地よければそれでいい。変わった名前であれば、人に深い印象を與えやすい。だが、めったにない、數(shù)少ない姓はほとんど途絶えようとしている。だからその姓を殘していかなければ」と張さん。
調(diào)査――命名権の合理的なスタイルは？
命名権に関してインターネット上で調(diào)査したところ、大多數(shù)の男性が強い反応を示した?！缸婴嗓猡细赣Hの姓を継ぐのが筋で、話し合う余地などない」。その一方で、子どもは何故、父親の姓を継がなければならないのか。今、こんな疑問をもつ女性が増えており、「命名権」は真に検討すべき課題となっている。
◆合併スタイル
調(diào)査では、父親と母親の姓を合併させれば、多くの家庭に受け入れられる、という提案が大多數(shù)を占めた。父親の姓のあとに母親の姓をつける。こうすれば、年配者に共通する願いがかなえられ、子どもは夫婦の愛の結(jié)晶であることも示され、重複名も避けられる、まさに一挙三得、という考え。
◆合成スタイル
両親の姓の一部を合成し、新たな姓をつくるというもの。李さん（男性）がその特例だ。妻の姓は「樓」。二人の姓に共通する偏は「木」。相談の末、この「木偏」を合成した姓を子どもの姓に。「林」。両親の平等は絶対的だ。
専門家――有能な人材に育てることが肝要
浙江省寧波市社會科學院の儲嘉康氏はこう指摘する?！浮夯橐龇ā护夏信纹降趣蚓攥F(xiàn)化したもので、子女は父方の姓しか継承できないという伝統(tǒng)的な考えを否定している。ただ、姓というのは非常に厄介な文化現(xiàn)象でもある。1人っ子が現(xiàn)在、結(jié)婚適齢期を迎えていることで、姓の“爭奪戦”は社會問題と化している。今では多くの若い人が姓に対して寛容になっており、結(jié)局は、姓が何であっても自分の子どもである。最も肝要なのは、子どもを有能な人材に育て上げることだ」と強調(diào)する。
「チャイナネット」2005/01/13
